昨日、高校野球ファンにとっては、歴史に残るニュースが発表されました。


来年の選抜高校野球大会から、タイブレーク制導入!


いや、、前々からそんな噂はありましたが、ついにですか・・・。


30年以上高校野球を見てきた人間としては時代の流れを感じます。


このタイブレーク制という言葉、聞いた事くらいはあるかもしれませんね。中には、「何それ?全く分からん」って方もいるかもしれませんね。

そんな訳で、今回は来年から高校野球に導入されるタイブレーク制度について、そのルールや背景などを書いていきます。

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タイブレーク制度導入の背景

タイブレーク制度導入の理由は一つですね。


選手(高校生)の体調管理


これに尽きます。



近年こそ、高野連側も準々決勝と準決勝に間に休養日を設定したり、高校側も投手の頭数を揃えたりと、選手の体調を十分に考慮していましたが。。

なにせ、近年の猛暑化の影響により、夏の選手権大会の試合環境は過酷で、投手は1試合投げきるのも大変です。


3年生も最後の大会ということもあり、肘や肩のの不調を押してまで登板して、結果、後の選手生命に影響が出るなんて事もありました。有名な所でいうと、第73回大会の大野投手(沖縄水産→九州共立大学→巨人→ダイエー)でしょうか。

ちょっとメモ(第73回の大野投手)

この年の沖縄水産高校は前評判が高く、沖縄県勢初の優勝の期待が掛かっていました。

ですが、チーム内に有力な投手は大野投手しかおらず、当時の大会は休養日の設定もなかった為、3回戦以降4連投。

大坂桐蔭高校との決勝戦の時には右肘は限界に達しており、試合では打ち込まれで8-13で敗退。

閉会式後の場内行進(高校野球では閉会式の後に球場内を1周するの通例)の時、曲ったまままっすぐに伸ばせない右肘が印象的でした。

その後の診断で、右肘の疲労骨折が発覚。投手としての選手生命は経たれる事になりましたが、その打棒を活かしてプロ野球入りし、読売ジャイアンツや福岡ダイエーホークスなどで活躍しました。


そんな事情もあり、高野連がタイブレーク制度の導入を検討していると言う噂がちらほらと流れ始めた頃に、大事件勃発。

2016年の選抜高校野球大会で1日に2試合も延長15回引分再試合が発生する事態に。(福岡大大濠vs滋賀学園、健大高崎vs福井工大福井の2試合)

これがタイブレーク制度導入の事実上の決定打と言ってもいいでしょう。

バックスクリーン下1

そもそもタイブレーク制度とは?

概要

簡単に言うと

試合の早期決着を目指し、延長戦で人為的に走者を置く特別ルールです。

ソフトボールでは、オリンピックを初めとする国際大会ですでに導入されています。

野球界で言いますと、社会人野球の最高峰の大会・都市対野球で2003年から、大学野球の最高峰の大会・全日本大学選手権では2011年から採用されています。

WBC(ワールドベースボールクラシック)でも導入されており、2017年に開催された第4回大会の日本vsオランダもタイブレークで日本が勝利したのが記憶に新しい所です。

詳細ルール

このタイブレークのルールは各連盟により、ルールが異なります。

高校野球大会でのルールは以下の様になっています。(ひとまずは、選抜高校野球に導入するルールで、夏の選手権は別途検討される)

  • 延長12回までは通常の延長戦
  • 延長13回以降がタイブレーク制
  • 無死1・2塁から開始で、打者は前の打順を継続


例えば、WBCで採用されたタイブレークは以下のルールでした。

  • 延長10回までは通常の延長戦
  • 延長11回以降がタイブレーク制
  • 無死1・2塁から開始で、打者は好きな打順から開始できる(監督が主審に宣告)

その他にも以下の様なルールを採用している団体もあります。

  • 試合時間が4時間を越えるまでは通常の延長戦
  • 試合時間が4時間を超えた場合、以降タイブレーク制
  • 一死満塁から開始

タイブレークの戦い方

ここからは完全に独断になります。^^

タイブレークの戦い方や、先行/後攻の有利/不利などを考察していく事にしましょう。

戦略は?

無死1・2塁で始まることから、打席に入る打者がよほど信頼のおける打者ではない限り、送りバント一択の戦略になると思います。元々、高校野球自体が送りバント重視の野球スタイルですしね。

と言う事で、打順の巡りも勝敗の行方を左右する重大な要素になりますね。いきなり、強打者から始まるよりも、バントの上手な選手から始まるほうが良い打順といえるでしょう。

先行/後攻の利は?

通常、延長戦では、後攻のチームが断然有利です。1点でもリードした時点でサヨナラ勝ちになりますので。

タイブレーク制も延長戦には変わりありませんので、後攻のチームが1点でもリードした時点でサヨナラ勝ちになります。

ですが、私は一概には”後攻のチームが有利”とは言い切れないと思っています。

と言いますのも、、、

無死1・2塁から始まるので、点が入る可能性が極めて高いです。先行のチームが2点以上取る事が出来れば、俄然有利になると思います。

なぜなら、裏の守備で1点取れれてもOK。2点取られたとしても同点。例え、無死1・2塁でも「2点までOK」と割り切って守れるのは、かなり楽です。1点取られるまでは内野が前進守備体形(バックホーム体形)を取る必要もないですからね。何より、後攻のチームは「2点取らないと負け」と思うと、相当なプレッシャーです。



そんな戦略的な視点でタイブレークを観戦するのも面白いかもしれません。


あとがき

今回は高校野球のタイブレーク制度導入ついて書かせて頂きました。

冒頭でも述べましたが、30年来、高校野球を観戦してきた者としては、なかなか衝撃的なニュースです。

私も、「タイブレーク制度なんて邪道」「延長戦こそが高校野球の醍醐味」なんて、鬼な思想でしたので。^^

もっと言っちゃうと、引分再試合が延長18回→延長15回に短縮になった時も、「高野連め!何つまらん事しとんねん!」と思っていたくらいで、第80回大会の松坂大輔投手擁する横浜高校vsPL学園の延長17回の死闘も手に汗握って、観戦していました。


ただ、2017年に開催された第4回WBCでタイブレークが導入され、その1週間後に開催された第89回選抜高校野球の1日2度の引分再試合発生などを見ているうちに、「ダイブレーク制導入が時代の流れだなぁ」と感じるようになりましたね。


来年春の選抜高校野球はタイブレーク制の話題で持ちきりになるでしょうね。

延長13回以降なので、そう簡単には無いとは思いますが、導入されたからには早く観てみたい気持ちです。


とりあえずは、試験的実施期間が続くでしょうが、高野連も議論を重ねて、「延長何回から導入すべきか?」など、一番良い落とし所を見つけて欲しいと思います。

それでは、今回はこの辺りで失礼します。

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