第89回選抜高校野球が盛り上がっていますね。

その中でも、2回戦の滋賀学園高校vs福岡大大濠高校の試合が延長15回引き分け再試合となりました。

私の住んでいる滋賀県の高校と、私の出身地である福岡の高校の対決なので、両校ともに勝ちにしてあげたい所ですけど、こればっかりは仕方ないですよね。


私の中では延長引き分け再試合と言えば、18イニングのイメージが強いんですけど、現在は春の選抜、夏の選手権ともに15イニングで引き分け打ち切りとして、再試合になります。


今回はこの高校野球の引き分け再試合について、どういう経緯で出来たルールなのか?過去の実例はどんな物があるのか?お伝えする事にします。

スポンサードリンク



引き分け再試合の規定

冒頭でも少し書きましたが、高校野球における引き分け再試合とは、日本高等学校野球連盟(高野連)が定めた規定です。

平成29年現在、延長15回迄に同点により勝敗が決しなかった場合は、引き分けで試合打ち切りとし、後日「再試合」を行うという規定です。

ただし例外もありまして、降雨や天災(雷など)の理由により、延長15回まで進まずに同点引き分けのまま試合打ち切り、後日再試合を行うケースも有ります。

再試合は、トーナメントの最初の方(1回戦や2回戦)であれば、中1日以上開けて組まれる事が普通ですが、トーナメントの日程が進んでいると、再試合が翌日に組まれる事もあります。


引き分け再試合規定の経緯は

この規定が出来るきっかけとなったのは、元プロ野球選手で現タレントの板東英二さんの熱投です。

ちなみに、板東さんは今でも奪三振の記録を持っていて、ああ見えて(笑)すごいピッチャーだったんですよ。

その板東英二さんの熱投は1958年(昭和33年)まで遡ります。

その年の春季四国大会での事、徳島商業高校の投手として参加していた板東英二さんは、対高知商業戦で延長16回を投げ切った後、翌日の対高松商業戦でも、なんと延長25回をいずれも一人で完投しました。この時の高野連役員が「将来ある選手の健康に配慮した規定を作るべきである」と本部に働きかけて、引き分け再試合の規定が制定されました。

ただし、この時に出来た規定は、以下の通りで、現在の延長15回ではありませんでした。

「延長18回を終えて引き分けの場合はその時点で試合を終了し、後日再試合を行う。」

延長15回打ち切り制へ

“延長18回引き分け再試合”の規定は、制定以降、42年間に渡って適用され、数々の名勝負を生んできた。

後でも述べますが、一番有名なところでは、1969年の第51回大会の決勝戦・松山商業高校(愛媛)vs三沢高校(青森)の試合が延長18回引き分け再試合となった事ですね。



その後、高校野球にも転機が訪れます。一昔前の高校野球のピッチャーと言えば、直球(ストレート)とカーブの2球種が基本でしたが、平成に入り、スライダーやフォークなど多彩な球種を投げる投手が増えました。

個人的見解になりますが、トレーニング方法の進歩などで、打者の技術が上がった事もあり、投手がそれに対応した結果だと思っています。

そんな事もあり、投手の負担も相当な物でした(難しく、鋭い変化球ほど、肩やひじへの負担がかかる)。


投手の変化球の多彩化を述べましたが、もう一つの要因は夏の酷暑化です。昭和の頃と平成の今では夏の気温のヤバさが違います。回が進むにつれて、選手の体調管理の重要性が主張されるようになってきました。



そんな中での出来事が、1998年(平成10年)夏の第80回全国高等学校野球選手権大会の準々決勝・PL学園高校(大阪)vs横浜高校の延長17回の死闘です。

当時の横浜高校のエースだったのは、あの松坂大輔投手です。この試合で延長17回を一人で250球投げ続けました。翌日の準決勝はさすがに先発しませんでしたが、中継ぎで2イニングをなげ、さらに翌日の決勝戦でも一人で投げ切りました(ちなみに、ノーヒットノーランの快投という凄い記録付きです。)



上で述べたような要因が引き金となり、従来の18イニングから、15イニングで延長を打ち切る規定へと変更になりました。

実例は?

規定とその経緯について話してきましたが、ここでは実際の再試合はどんな試合があったのかを見ていくことにしましょう。

第51回 選手権の決勝戦

先にも書きましたが、1969年の第51回大会の決勝戦・松山商業高校(愛媛)vs三沢高校(青森)の試合です。

この試合は延長18回再試合引き分け。しかも、0-0の引き分け。翌日の再試合は4-2で松山商業が勝利しました。

オールド高校野球ファンにとって、引き分け再試合と言えば、この試合ではないでしょうか?

第75回 選抜の準々決勝

15回打ち切り制に変わって、一発目の引き分け再試合は、第75回選抜高校野球の準々決勝戦・花咲徳栄高校(埼玉)vs東洋大姫路高校(兵庫)の試合です。

1試合目は2-2の引き分けでした。で、翌日の再試合も延長戦に突入しました。

最後はサヨナラ勝ちで、6-5で東洋大姫路高校が勝利しました。

第88回 選手権の決勝戦

この試合は記憶に新しい方も多いでしょう。

2006年の第88回選手権大会の決勝戦・駒大苫小牧(南北海道)vs早稲田実業(西東京)の試合です。

両校のエース、田中将大投手と斎藤佑樹投手の両投手ともにその後、プロ野球に進んでいるようにレベルの高い投手戦でした。

1試合目は1-1の引き分け。再試合は4-3で早稲田実業が勝利しました。

あとがき

今回は高校野球の引き分け再試合とは?という疑問ついてお答えし、更に過去の実例などを見ていきました。


と、この記事を書いている間に、健大高崎高校(群馬)vs福井工大福井高校(福井)の試合も引き分け再試合になってしまいましたね。

当然ながら、1日に2試合も引き分け再試合なんて(おそらく1大会で2試合の引き分け再試合も無い)、史上初めての事で、ちょっと考えられないですね(苦笑)。



気を取り直して、、、

個人的意見なんですけど、引き分け再試合だけでは、健康への配慮は不完全だと思っています。

例えば、”1試合目に先発した投手は再試合に登板できない”の規定もあって初めて意味をなしてくると思います。

まぁ、夏の選手権は3年生にとっては最後の大会なので、難しいところだとは思うんですけどね。

エースが連投して、よく監督が非難されていますが、あれも可哀そうな話だと思うんですよ(非難される監督が・・・ね)。


恐らく、3年生のエースともなれば、「故障が怖いので、明日は投げません。」なんていう選手は誰一人としていないと思っています。当然ですよね、、甲子園に行くために3年間厳しい練習を積んできて、ようやくつかんだ大舞台ですからね。

監督もそんな心情を分かっているから、「投げたいなら、頑張って投げてこい!」と言う流れになってしまいます。そこで、英断(投げさせない)を出来る監督は本当に素晴らしい監督なのでしょうけど・・・。


そろそろ、高野連も何かしらの英断を迫られている時期に差し掛かっていると思います。

それでは、今回はこの辺で。。

スポンサードリンク